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ボイスドラマ
「風と光のスターマイン」
監督日記
2018年にこの物語の原案を作ったとき、2021年にボイスドラマにするなんて想像していなかった。
そして、2021年の夏がこんな世の中になっているとも。
未知のウイルスに、戸惑い、悲しみ、普通に人と会う事すら難しい。
まるで、私が日常的に向き合っている台本やシナリオの中に書かれているような日々。これってフィクションか?
ウイルスと戦いながら思った、「明日世界が終わっていたりして」。
それなら、私は今、一体何がしたいんだろう?
明日世界が終わっても、私はやっぱり1本のドラマを作りたい。
作家として初めて物語を描く、寝て、起きて、書いて書いて書いて、書き疲れて寝て、起きて書いて。何日もずっと頭から物語が離れなかった。書き終わった今も体から抜けない。
柚木が悩むと自分も悩み、
蓮が迷うと自分も迷い、
澄奈が恋をすると自分も恋をして、
のいちが泣くと自分も泣いた。
これが作家の仕事なのか・・・噂には聞いてたけど
やっぱり普通の感覚じゃなかった・・
私の手から役者に台本が渡る。これで自分だけの物語じゃなくなるのが
寂しかった・・・。と、感傷に浸っている間も無く収録へ・・・
「ドラマを聴いてくれる、あなたの為に」
心の真ん中にその思いを抱き、スタッフとキャストが全力で作品に向かいました。今の自分の持てる力を出しきりました。
きっと今年もいつもと違う夏になるけれど、「風と光のスターマイン」ワールドで花火に想いを巡らせ、ドラマに触れるそのひと時が、どうか楽しい時間でありますように。
佐々木京花

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